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その一杯に、どんな「願い」を込めていますか?
「食事の前に、このお茶を飲むと良いらしい」
「血糖値対策には、桑の葉茶がいいって聞いたから…」
健康を意識する中で、毎日のお茶を、なんとなく「体に良い」と言われるものに変えてみた。
あなたにも、そんな経験はありませんか?
何を隠そう、私自身も、今まさに「菊芋茶」と「桑の葉茶」を、その効果を信じて、日々飲んでいます。(笑)
飲むたびに、「これで少しは大丈夫かな」と、心が少しだけ軽くなる。
まるで、お守りのような存在ですよね。
でも、第3弾のサプリの話と同じように、ここでも一度、冷静に立ち止まって考えてみる必要があります。
その一杯は、本当にあなたの体を助けてくれる「お守り」なのでしょうか?
それとも、ただの「気休め」になってしまってはいないでしょうか?
今日は、多くの方が気になっているであろう「健康茶」の真実について、私自身の体験も交えながら、正直にお話しします。
なぜ「桑の葉」や「菊芋」が注目されるのか?
まず、なぜこの二つのお茶が「血糖値に良い」と言われるのか、その理由を簡単に見ていきましょう。
桑の葉茶:糖の吸収をブロックする「用心棒」
桑の葉には、「DNJ(1-デオキシノジリマイシン)」という、特別な成分が含まれています。
このDNJは、私たちが食事で摂った糖質を分解する酵素の働きを邪魔する、言わば「用心棒」のような役割を果たします。
用心棒が邪魔をすることで、糖の分解と吸収が遅れ、結果として食後の血糖値の急上昇を穏やかにしてくれる、という仕組みです。
一方、菊芋の主成分は「イヌリン」という、水溶性食物繊維の一種です。
このイヌリンは、
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水分を吸ってゲル状になり、一緒に食べたものの吸収を穏やかにする
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腸内で善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える
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その働きから「天然のインスリン」とも呼ばれる
など、血糖値コントロールにおいて、非常に嬉しい働きをたくさん持っています。
本当に「飲むだけで効く」のか?
「すごい成分が入っていることは分かった。じゃあ、やっぱり飲めば効くんだ!」
そう思いますよね。
私も、そう信じたいです。
しかし、ここで、厳しい現実をお伝えしなければなりません。
答えは、「お茶を飲むだけで、劇的な効果を期待するのは、極めて難しい」です。
なぜなら、
多くの血糖値対策茶は、「科学的根拠がある」と謳っています。
実際、論文も存在します。
でも、問題は「実験室の結果」と「あなたの体での効果」は、別物だということ。
例えば、桑の葉茶の論文を見ると
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被験者数:20人
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試験期間:2週間
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摂取量:桑の葉エキス1,500mg/日(お茶に換算すると、10杯以上)
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測定条件:厳密な食事管理の下で実施
現実的に、毎日10杯以上のお茶を飲めますか? しかも、食事を厳密に管理した状態で?
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含有量の問題: 研究で効果が確認されているのは、あくまで抽出された「成分」を、一定量摂取した場合の話です。私たちが普段飲むお茶一杯に、その研究と同じ量の有効成分が、果たしてどれだけ含まれているのかは、誰にも分かりません。
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吸収率の問題: お茶として飲んだ成分が、体の中でどれだけ効率よく吸収され、効果を発揮するのかも、個人差が非常に大きいのです。
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品質の問題: 製品によって、使われている葉や芋の品質、加工方法もバラバラです。当然、含まれる有効成分の量も、製品ごとに大きく異なります。
つまり、「桑の葉茶」と名のつく商品が、すべて同じ効果を持つわけではないのです。
サプリと同じ。「お茶」との賢い付き合い方
では、私たちが飲んでいるこのお茶は、全くの無意味なのでしょうか?
私は、そうは思いません。
第3弾のサプリの話と全く同じで、「使い方次第」で、強力な味方になってくれます。
ここでも、守るべきは「3つのルール」です。
ルール①:あくまで「脇役」。主役は「食事」と心得よ
これが、絶対のルールです。
「桑の葉茶を飲んだから、今日のランチはカツ丼大盛りにしよう」
これは、1000%間違いです。
用心棒(DNJ)が一人で、押し寄せる大群(大量の糖質)を止められるわけがありません。
イヌリンさんが どんなにすごくても、あなたの食べたケーキを無かったことにしてくれるわけでもありません。
「食べる順番を意識する」
「糖質の質を選ぶ」といった、食事の基本をしっかり守った上で、「ダメ押しの一杯」として飲む。
この「主役」と「脇役」の関係を、大切にしましょう。
ルール②:「お茶を飲んでいるから」という安心感に、逃げない
これが、一番怖い落とし穴です。
「健康茶を飲んでいる私、えらい!」
「ちゃんと体に良いことしてるもんね」
その安心感が、いつの間にか「免罪符」になってしまう。
そして、食事内容が少しずつおろそかになったり、運動をサボる言い訳になったりする…。
もし、そうなってしまっているなら、そのお茶は、あなたにとって「お守り」ではなく、むしろ改善を妨げる「足かせ」になってしまっています。
一度、飲むのをやめて、食事内容そのものを見直す勇気も必要かもしれません😭
ルール③:水分補給の「選択肢」として、楽しむ
「水やお茶しか飲めない…」
そう思うと、少し寂しいですよね。
でも、
「どうせ飲むなら、少しでも体に良い可能性があるお茶を選ぼうかな」
「今日は緑茶、明日は麦茶、そして食前には桑の葉茶」
そんな風に、水分補給のバリエーションを豊かにする「楽しみの一つ」として捉えるのは、とても素晴らしいことです。
何より、ジュースや甘いカフェラテを飲む代わりに、これらの無糖のお茶を選んでいる時点で、あなたはすでに、100点満点の選択をしているのですから。
私がお茶を「飲み続ける」本当の理由
ここまで読んで、
「じゃあ、にこにこさんは、なんで飲み続けてるの?」
と疑問に思った方もいるでしょう。
私が、菊芋茶や桑の葉茶を飲み続ける理由。
それは、劇的な効果を期待しているからではない、と言いたいところですが、正直に白状します。
やっぱり、少しは期待しています。(笑)
いや、かなり期待中🤭
でも、それ以上に、もっと大切な理由があるんです。
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食事の前に、温かいお茶を一杯飲むことで、心がホッと落ち着き、ドカ食いを防ぐ「儀式」になっているから。
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その香ばしい香りを「美味しい」と感じ、リラックスできる大切な時間になっているから。
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そして何より、「今日も自分の体を大切にできた」と、自分を少しだけ褒めてあげられる、ささやかな自信に繋がっているから。
もし、この3つの効果が、あなたにもあるのなら。
その一杯は、あなたにとって、間違いなく価値のある「お守り」です。
でも、もし、ただ義務感で、美味しくもないのに無理して飲んでいたり、「これを飲んでるから大丈夫」という言い訳に使ってしまっていたりするなら、一度立ち止まってみる時かもしれません。
最高の健康法は、いつだって、シンプルです。
バランスの取れた食事、適度な運動、そして、質の良い睡眠。
その土台の上に、あなたの心が喜ぶ「お守り」を、一つか二つ、添えてあげる。
それくらいの、軽やかな距離感が、きっと、一番うまくいく付き合い方なんだと、私は信じています。
にこにこ🌞


